日本人と貯蓄

日本人と貯蓄の関係を考える

貯蓄と貯金の違い

預金、貯金、貯蓄。私たちは普段はあまりその違いなど意識しないで使っているように思います。預金と貯金は、金融機関による違い。預金とは都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合に預ける事、またはその預けたお金の事をいいます。貯金はゆうちょ銀行、農協、漁協に預けた場合をいいます。

1873年、渋沢栄一によって「第一国立銀行(現みずほ銀行)」が設立され、この時に海外で使われていた英語の「deposit」を訳して「預金」という言葉ができたという説があります。第二次大戦前までは、「預金」は企業などが預ける時のみに利用された専門用語だったという事ですが、敗戦後はGHQの民主化指導で、一般の個人も利用できるようになりました。

また前島密が郵便制度の視察に行ったイギリスで、郵便局が貯金を扱っているのをみて感銘を受け、日本にも1875年に郵便貯金制度が導入されました。明治政府は庶民にも貯蓄を奨励し、イギリスの貯蓄制度をあらわす「savings」を訳して「貯金」としたそうです。郵便局は郵政民営化に伴って「ゆうちょ銀行」となり、預かるだけでなく資産を運用する銀行業務を行うようになりましたが、慣習から今でもゆうちょに預ける時は「貯金」と言われます。

一般的に私たちは預入先が銀行であろうとゆうちょであろうとあまり意識せず、お金を貯めることを全般に「貯金する」と言うことが多いですね。また普通「貯金箱」とは言いますが、「預金箱」とは言わないですね。「預金箱」では、机の上などに置いて小銭を貯める豚の形をした入れ物とは、どこか違うもののようなイメージがしてしまいます。

そして貯蓄とは「財貨を蓄える事」で、預金や貯金だけでなく、株や生命保険、現金などのすべての金融資産を運用したり蓄えたりすることの総称です。どちらかというと、増やしたり運用することよりも「貯める」ことを主目的にした意味合いが強いようです。

各金融機関は、積立型の貯蓄商品をそれぞれ発売しています。毎月少しずつ地道にお金を積み立てていくことが基本の商品です。長い間にはいつの間にか結構お金が貯まる、一番確実な商品といえるでしょう。その中でもよく知られているのが「財形貯蓄」です。勤務先にその制度があればの話ですが、給料から天引きされていくので、あまり意識しないでいつの間にかお金が貯まります。会社を辞める頃には驚くほど貯まっていた、ということもあり得る商品です。

「貯蓄預金」は普通預金より金利が高く、出し入れも自由な商品です。振込の口座として指定することもできますが、公共料金などの自動引き落しや、給与・年金・配当金などの自動受取りの口座としては利用できません。「スィングサービス」といって、普通預金との間で指定日に自動的に資金を移動させることができるサービスを付加させることもできます。例えば普通預金の残金が指定額を超えたら、超えた分だけ貯蓄預金に移動して積み立てていくことができるのです。また逆に、普通預金の指定残高が下回ると自動的に積立預金の方から移動することもできるので、普通預金の残高が不足してローンや公共料金の「残高不足で引き落とし不可」とならずに済みます。財形貯蓄も、貯蓄預金も、銀行や信用金庫、労働金庫などで扱っています。