日本人と貯蓄

日本人と貯蓄の関係を考える

2012年問題とは

「団塊の世代と言われる世代があります。戦後の1947年から1949年ごろに生まれた、いわゆるベビーブーム世代。何しろ人数が多くて、揺りかごから墓場まで混雑すると言われた世代。その人たちが60歳の定年退職の時期を迎え、大量の退職者で一挙に労働力が減る、ベテランの技術者が減る、退職金や年金の支払い開始がいっぺんに始まるため、その財源が問題になると言われ、それが「2007年問題」でした。

しかしその問題はほとんどの企業が再雇用制度や、定年延長で65歳定年を導入したことで、さほどの騒ぎになりませんでした。そうした問題をひとまず先送りにして、今度は団塊の世代が65歳になる「2012年問題」を懸念し出したのです。

しかし2012年もすでに過ぎた現在、それもまたあまり大騒ぎされなかったというのが実感です。2011年の東日本大震災とそれにともなった原発事故の問題や、選挙で安倍内閣が誕生したことなどがクローズアップされ、どこか影が薄い問題になってしまいました。また年金の支給が国民年金の場合は65歳まで引き上げられたことで、ひとまずいっぺんに財源が無くなるわけではない、という事になったこともあるのでしょう。結局団塊の世代が2012年にいっせいに退職するわけではなく、60歳から67歳の人たちが、2007年から2016年にかけて徐々に退職していくというのが現実で、今度は「2016年問題」だなどとも言われているようですが。

少子高齢化で、年金支払額が多くなるのにそれを支える現役の若い人が増えていない、と団塊の世代は肩身の狭い立場に追いやられています。金融機関の退職金をあてにしたキャンペーンなどもさかんですが、この景気が悪い中で退職者が給料が無くなっても貯蓄に励むはずがありません。必然的に貯蓄率は下がっていくでしょう。現実はとても貯蓄できるほどの余裕などないのですから。

しかし実際には、仕事の現場ではベテランがいなくなるのに不況下では人員の増員もままならず、技術力の低下というマイナス面がある一方で、人件費が削減できたというプラスの面もあるということで、2012年問題はあまり大騒ぎにならなかったともいわれています。